バブル

バブル VIII

Slide 46 今回の金融危機は、不動産バブル、信用バブル、消費バブルの3つのバブルが崩壊。今後の経済体制は、米欧亜の3極から、しだいに中国の時代へ。

バブル VII

Slide 37 バブル崩壊の資金供給源となった過剰流動性。1980年は実体経済 (N. GDP) と同レベルだった金融資産が徐々に増え、2007年では GDP の2.7倍に拡大。あり余った資金がより好利回りの運用先を探して世界を駆け回っていた状況。 Slide 43 過剰流動性が増…

バブル VI

Slide 31 IMFの予想損失額1.4兆ドルは、GDP比で日本の半分。Securitization x Globalization x Leverage により、日本と同程度の規模になる可能性大。 Slide 34 日本との違いは、世界各国が協調してサポート、公的資金の注入もすばやかった点。

バブル IV

Slide 20 自己破産した個人や倒産した企業のしわ寄せは、銀行の資産 (Asset) へ。一方、負債 (Debt) 側にある預金には元本保証がついているので、不良債権の損失を預金者に負わせることはできない。しかし、不良債権損失が自己資本 (Equity) と同レベルまで…

バブル III

Slide 19 1970年代後半になると、世界中からお金を集められるようになったものの、内需拡大という有効なお金の使い方を知らなかった。小国である間は問題ないが、世界第二の経済大国ともなると、養分を吸い取られる周りの国々はたまったものではない。一方、…

バブル II

Slide 9 証券化の本質は、ストックのビジネスをフローのビジネスに変えること。長期間にわたり少しずつ実現される住宅ローンからの収益が、証券化により当期の収益としてまとめて実現することが可能となる。様々な障害を取り除く証券化により、貸出量の流れ…

バブル I

Slide 7 崩壊のきっかけは、住宅価格の下落、金利の上昇、2003-2005年に住宅ブームを支えた質の悪化したサブプライム層、彼らの金利リセットの大波が2007年に集中。 Slide 8 変動金利型のサブプライムローンが、証券化という手法によって健全な証券の一部に…

日本への影響

金融再編: 欧米に比べ保有割合が小さかったとはいえ、売却できずにいる金融機関がほとんどのため、四半期ごとに引当金を計上しなければならない状況が当面続きそう。とりわけ預金の多くをサブプライムローンがらみの証券化商品で運用していた「イーバンク銀…

歴史的視点(80年代後半のバブルと類似比較)

類似点 金融政策: 円高不況対策(地価は上昇している一方、景気対策のため度重なる利下げ) vs. サブプライム対策(物価は上昇、とりわけ原油が急騰している一方、景気は後退局面=スタグフレーション) 実需と虚需: 地価高騰 vs. 原油高騰(現在の原油価格は…

今後の動向

時限爆弾: 多くのサブプライムローンは、借り入れ開始から3年程度経つと返済額が急増する仕組みなので(当初は金利のみ→数年後に元本の返済が加算、あるいは最初の数年間は金利負担ゼロ)、現在はブーム初期の03年後半に住宅を購入した人の問題が表面化。た…

なぜバブルは繰り返すのか

バブルの本源: 欲望=人間の性は変わりにくい 「バブルの物語」という本の序言-著者ガルブレイス: 「私はこの小著を警告の書とするよう特に配慮した。頭脳に極度の変調をきたすほどの陶酔的熱病(ユーフォリア)は繰り返し起こる現象であり、それにとりつかれた…

バブルの教訓-失敗学I

なぜストップできないのか、なぜ最悪の状況にならないと改革が進展しないのか? 80年代後半のバブル 勇気ある「イエス」を活かすシステムの欠如+「ノー」を言えない弱さ 痛みのある決断は自分たちだけでなく先輩たちの責任も追及 当局に都合の悪い情報は圧力…

なぜバブルの処理に10年以上もかかったのか?

不況の実態=バランスシート不況 金融機関からの借入金は資産担保主義の下、相場情勢(左側の資産)に応じた金額を右側の負債に積み上げていたが、土地や株など資産価格が急落すると左側のみが縮小、右側にある負債は逆に金利負担分を追加して増加。その差額…

日銀&大蔵-なぜ地価上昇をバブルと認識できなかったのか?

絶対的な土地神話+不動産需要の見誤り 土地神話: 歴史的に見て神話が寓話になる確率は極めて低い(戦後の地価の下落は1回のみでそれもオイルショック後の例外中の例外)=思考停止、最悪の事態を想定し備えを訴える勇気の欠如=事なかれ主義の土壌 虚需 国土…

監督当局-なぜ機能しなかったのか?(問題認識+障害要因)

問題認識 本質の見誤り: バブルの認識(80年代後半の資産価格高騰=実体経済の反映)、地価高騰の原因(投機であって金融機関の財テク融資でない) 危機管理意識の低下: 地価下落による不良債権化の想定、昭和恐慌は忘却、護送船団方式による破綻回避処置がこれま…

金融機関-なぜ財テク融資へ暴走したのか?(融資先×暴走要因)

融資先 融資先の変化: 大手企業は70年代半ばから独自で資金調達するようになり、銀行離れが加速(とりわけ長銀や日債銀にとっては深刻問題→不安・あせりを助長) 限られた選択肢(部分的金融自由化への過渡期): 護送船団方式、証券業への法的壁、中小企業・…

日銀-金融政策のジレンマ

過去最低水準へ公定歩合が引き下げられていった経緯 80年代前半に日米貿易摩擦が深刻化(内需拡大+円高圧力) 85年に前例のない円高誘導策「プラザ合意」(円高防止策のないままスタート) 制御不能な円高(合意前240円から1年後には150円を突破) 円高不況…

なぜバブルは起こったか-形成のメカニズムとその要因分析

バブルの根源=欲望 バブルの根源は「楽して儲けたいとい”欲望”」で、歴史に名を刻むバブルには、その欲望への巧妙で大掛かりなトリックがしかれられ、その舞台で役者らは陶酔的熱病(ユーフォリア)にとりつかれ、我先にと高い階段を上へ上へと駆け上がってい…

米住宅ローン市場の約10%にすぎないサブプライム問題が、世界レベルで膨大な損失を生んだ原因は?

発生要因 商品 変動金利: サブプライムローンの8割が変動金利 vs. プライムは8割が固定金利 仕組み: 当初は金利払いのみ→数年後に元本返済も加算(支払額が数倍へ増加する顧客も) 顧客側 サブプライム層: 低所得、返済遅延者、金融知識不足 投機家(リゾー…