バブル IV

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自己破産した個人や倒産した企業のしわ寄せは、銀行の資産 (Asset) へ。一方、負債 (Debt) 側にある預金には元本保証がついているので、不良債権の損失を預金者に負わせることはできない。しかし、不良債権損失が自己資本 (Equity) と同レベルまで膨れ上がると、銀行ももたない。さりとて、銀行が破綻すると、預金者も借り手も困る。さて、どうしたものか、というのが不良債権問題の本質。
解決は、不良債権の買取りにより、銀行の不良債権の最終処理と損失額の確定。次に損失額の穴埋めというべき自己資本増強。必要なら一時国有化。損失額が拡大していくという事態に歯止めをかけなければ金融危機は収束しない。

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先進諸国で初めてデフレ(CPI伸び率が2年以上継続してマイナス)を経験した日本。その本質は、「債務の最小化」によるデフレスパイラル
債務の最小化>利益の最大化: バブル崩壊後の多くの日本企業は、バランスシートは傷んでいるものの本業はまずまずの状態→あまり景気も良くないから極力コスト削減して利益を捻出、それを借金返済へ→多くの企業がそのサイクルに乗ってしまうと、設備投資減+人件費カットで個人消費も低迷 = 総需要が低下→景気の悪化→資産価格の低下→バランスシートはより悪化→さらなるコスト削減+借金返済と、景気は雪だるま式に悪化