ネット系ビジネスモデル-III

陣形の組み方 (仕組みの差別化)

ネットの世界では、単独で戦う局地戦ではなく、ネットワークでつながった企業群の総合力が決め手。ダイエーの価格訴求-> セブンイレブンの価値訴求-> ネット世界では「ネットワーク価値」訴求の時代へ。

  • バリューチェーン (垂直統合): 多様性のアンドロイドに対し、iPhoneなど品質や統一性重視のapple
  • エコシステム・経済圏 (平面的連合):
    • 仮想通貨:楽天ポイントを媒介に自国経済圏内で顧客をシェア/囲い込み、新規サービスでも顧客獲得コストを抑え、迅速なスタートダッシュで他社を圧倒
    • 補助金型 (win-win型): Amazonアフィリエイトなどパートナーにも成功報酬を分配することで、勝手に宣伝してくれる仕組み
    • Open ID: Facebook connect などIDで顧客データを囲い込み
    • 財閥型 (収益プール型): グループ内で発生する収益機会を取り込める事業を立ち上げ、グループ外へ流出を防止。証券事業を核としたSBIグループでは、VC事業により証券顧客にIPOの当選確率を上げ、証券事業には主・副幹事のうまみを提供。また、グループ内から金融コンテンツを買い上げその事業を育成するなど、グループ内に強固なインキュベーション機能を確立し、グループ内IPOの確率もアップ。

持続可能な仕組み

顧客を囲い込むためには、ライバルに奪われない、顧客が逃げていかない、毎月安定した収入があるストック型のモデルを確立できるかどうか。

  • 参入障壁: ライバルの侵入を防ぐ方法は、参入機会を与えず脅威を与える方法は?
  • Switching costs: ライバルへの乗り換えコストは高い?
  • ストック型モデル: 一時的な売買で売上を計上するフロー型モデルに対し、ずっと家に住んでもらって毎月安定した家賃を徴収するストック型モデル。ゲームを活性化しアイテム課金の流れを加速化させるモバゲーのフロー型モデルに対し、記憶という蓄積データに価値を生み出し課金するEvernoteのストック型モデル。