サブプライム

教訓

現在の金融市場で吹き荒れている問題の本質は、投資銀行モデルに代表される「過剰なリスクテイク(リスク管理の弱さ)」と、かなり割安な水準にまで到達しているはずなのに疑心暗鬼がもたらす買い手不在のサブプライム市場、つまり「信頼性(情報の非対称性…

日米比較

今や余剰資金の面で逆転した感のある日米の大手金融機関。商業銀行 (JPモルガン・チェース vs. 東京三菱UFJ) と投資銀行 (Goldman Sachs vs. 野村證券) についてROEを比較したのが下表。いずれも多業種に進出しているので、正確な比較は困難だが、際立つのが…

レバレッジとは

1年前にまとめたサブプライム問題の本質。結構好評だったこの分析、簡単に言うと、 変動金利型のサブプライムローンが、証券化という手法によって健全な証券の一部に進入しその存在を希釈化させ、グローバル化によって世界に拡散、レバレッジによって破壊力…

日本への影響

金融再編: 欧米に比べ保有割合が小さかったとはいえ、売却できずにいる金融機関がほとんどのため、四半期ごとに引当金を計上しなければならない状況が当面続きそう。とりわけ預金の多くをサブプライムローンがらみの証券化商品で運用していた「イーバンク銀…

歴史的視点(80年代後半のバブルと類似比較)

類似点 金融政策: 円高不況対策(地価は上昇している一方、景気対策のため度重なる利下げ) vs. サブプライム対策(物価は上昇、とりわけ原油が急騰している一方、景気は後退局面=スタグフレーション) 実需と虚需: 地価高騰 vs. 原油高騰(現在の原油価格は…

今後の動向

時限爆弾: 多くのサブプライムローンは、借り入れ開始から3年程度経つと返済額が急増する仕組みなので(当初は金利のみ→数年後に元本の返済が加算、あるいは最初の数年間は金利負担ゼロ)、現在はブーム初期の03年後半に住宅を購入した人の問題が表面化。た…

米住宅ローン市場の約10%にすぎないサブプライム問題が、世界レベルで膨大な損失を生んだ原因は?

発生要因 商品 変動金利: サブプライムローンの8割が変動金利 vs. プライムは8割が固定金利 仕組み: 当初は金利払いのみ→数年後に元本返済も加算(支払額が数倍へ増加する顧客も) 顧客側 サブプライム層: 低所得、返済遅延者、金融知識不足 投機家(リゾー…