怒りを静める・受け止める方法

人の悪口をいわないようにするため、私のこれまでの対処法は、私たちは言葉の反射鏡というようなものに取り囲まれていて、悪口をいうとそれが反射して自分に跳ね返ってくる因果応報という考え方。逆に良いことを言えば良いこととして跳ね返ってきて、運気もあがるよという戒め。易経いわく、「積善の家には必ず余慶あり。積不善の家には必ず余殃あり」

でも、実際には許せないほど憎らしい人もいる。怒りを抑えるためにはどうしたらいいか・・・その知恵を紹介。

1. 怒りを静める方法

  • 怒りや恨みを持つのは結構だが、最低限のルールは守るべき。それは、怒りの感情を本人にぶつけないこと。その際の心の置き所が、「憎らしい人は、そのような感情を与える役割を担っているにすぎず、人生という舞台で悪役を演じているだけ。幻の敵に怒りをぶつけてもしょうがないでしょ。逆に、『悪役を演じてくださって、お役目、誠にご苦労様です』 というくらいの心境になってはどう?」
  • 「今回の人生では敵同士に分かれて、互いに許しあうことに挑戦しよう」と約束して生まれてきた。だから、その嫌いな人を許すことが、今回の人生の大きな目的の一つ。
  • 米国第3代大統領 Thomas Jefferson いわく、「怒りを感じたときは、口を開く前に1から10まで数えよ。ひどい怒りを感じたときは、100までだ。」
  • 宋代の禅僧 宏知正覚いわく、「滴水滴凍(てきすい てきとう)。したたり落ちる水の一滴一滴が瞬時に凍るように、怒りや腹立ちが起きたら、その感情を瞬間凍結せよ。」
  • 禅僧 南直哉いわく、「怒りの本質は、自分が正しく、相手が間違っていると思う葛藤の表れ。ならば、解決策は、相手に自分の正しさをきちんと伝え、納得してもらうこと。
    • 一つ目は、体の姿勢を変えること。人は激怒すると立とうとする。だから逆に、椅子に腰を下ろすか、地面に尻をつけて座り込む。感情そのものをコントロールしようとするより、行動様式を変える方が有効。
    • 二つ目は、一度は許すと最初から決めてしまうこと。自分の責任の範囲内でフォローできる全てを。自分の正しさを検討する時間を与えることで、二度目が起きたとき、相手に対して実例を示して説得できる。
    • 三つ目が、客観性を持つこと。第三者が聞いても納得できるかどうか、それは怒られる方が悪いと言ってもらえるかどうか。好き嫌いなど個人的な感情が混じっていては、納得してもらえない。判断を誤らせる可能性が大きいので、大事な局面ほど冷静に。」

2. 怒りを受け止める方法

スッチーの対処法: 気が済むまで怒らせ-> 相手を受け入れ-> 感謝と慈しみ

まず客が怒り出した時には、「気が済むまで怒らせる」。例え相手の言葉に「えっ?」と思うことがあっても、絶対に反論せずに、ひたすら乗客のクレームを「真摯な態度で聞いているふり」をする。つまり、表層演技。たいていの客は言うだけ言うと、「言いすぎた」と後悔し、おとなしくなる。

そして、相手が怒っている間に心の中では次の2つのことを考え、自分の感情に働きかける。

  • 「相手は、私たちのことを思って言ってくれている。ここで言われたことは私たちの今後の成長につながる」。相手にひたすら感謝の気持ちを持つように自分を仕向け、「ごもっともでございます」「ご指摘ありがとうございます」などの具体的な感謝の言葉を、相槌を入れながら相手に伝える。
  • 「相手は、こういったクレームを言いたくなるような辛い境遇で、かわいそうな人なのだ」と気持ちを入れ替えて、ひたすら慈しみの気持ちを持つ。


この「感謝」と「慈しみ」という2つの感情を、自分の中から引き出す努力を徹底的に行い、深層演技を引き出すことさえできれば、最悪の事態はたいてい避けられるそうな。表層では真剣に聞いているフリ、深層では「感謝」と「慈しみ」の自己暗示。これら演技を瞬時にこなす名女優スッチー。理不尽なクレームを受けたときには、彼女らの笑顔をイメージし、役に徹する心構えが必要かも。