平常心-I

スランプ克服と関連して、多くの先人が唱える平常心。その心構えを紹介した後、スランプ克服と平常心から得た教訓を少しばかり披露。

  • 谷川浩司さんいわく、「史上初の7冠をかけ挑んできた羽生義治さんとの王将戦。メディアの関心はもっぱら、史上初の7冠で、そうなることは間違いないという雰囲気が圧倒的だった対局。いくらなんでもひどすぎるという忸怩たる思いがあったが、こう思い直したそうな。『脇役を勤められるのも、大変なことじゃないか』
  • イチロー選手いわく、「よく人からどうやってプレッシャーを跳ね返すとか、調子が悪くなってきたときにそれをどう払いのけるか聞かれるけど、方法はない。それを背負ってプレーするしかない。」
  • 松井秀喜選手いわく、「400打席 同じような心境で打席に入れるかどうか、結果を左右するのは、願いの強さより平常心ではないかと。ピッチャーとバッターのどちらがより平常心で臨んでいるかが、勝負の分かれ目。日本海のような広く深い心、白山のような強く動じない心。僕の原点は、この広く深い心と強く動じない心、つまり不動心にある。」
  • 本番でどうしてもあがってしまう方いわく、「『練習のときは自分が一番下手、試合のときは自分が一番上手』と思えば、練習のときはもっと練習し、創意工夫もする。その結果、試合ではこれだけ練習したんだという自信につながり、多少ミスしても逆転できると思える」
  • 禅の教えいわく、「八風吹けども動ぜず-八風吹不動」。人を惑わす8つの風とは、利・衰・毀・誉・称・譏・苦・楽。「利・衰」は損得や意に沿う・反するもの、「毀・誉・称・譏」は影や日向での誉めや謗り、いわゆる毀誉褒貶 (きよほうへん) = 世間の評判。「お金、風評、苦楽」という心を惑わす風でも、動じない不動芯を確立せよ。
    • 利: 利益、意にかなうもの
    • 衰: 損失、意に反するもの
    • 毀: 影でそしる
    • 誉: 影でほめる
    • 称: 目の前でほめる、
    • 譏: 目の前でそしる
  • 終身教授録いわく、「自分のなすべき仕事を、少しの隙間もおかずに、着々と次から次へと処理していくこと。あたかも流水が淀みなく流れるように、当面している仕事を次々と処理していく。」