平常心-II

教訓

谷川浩司: 創る喜びを得るには、壊す勇気が必要

これまでのスタイルが通用しなくなったり、勝てなくなってはじめて新しいことを求めるのが通常だが、それでは時遅し。不調時は、迷ったり、妥協したりしてマイナス思考になる一方、好調時はやる気もあり、プラス思考でいられる。「創る喜びを得るには、壊す勇気が必要」で、調子の良い時こそ、自分の殻を破り、新しい試みにチャレンジする勇気が必要。

米長邦雄: 不運と幸運は表裏一体の関係

運のいい時とは、満開の桜の時期で、美しく華やかで人目を引く。一方、不運の時とは、桜の木が土の中に根付こうとしている時期。世間は根っこを張っているだけの木には目もくれず、役立たずとダメ出しもする。目に見えない土の中のことは無視され、花をつけていなければ敗者として処理されるのが世の中。だが、しっかりと根を張った桜は、やがて芽を出し、驚くほど豊かな花を咲かせる。
不幸とは幸運の根源で、考え方や心の置き所を少し変えるだけで幸運をもたらす。幸運も不運も川の流れのごとく動いている。
勝っている時に負け将棋を並べ、負けている時に勝ち将棋を並べる。これが勝利の女神に好かれ、貧乏神を遠ざける極意。大山康晴 15世名人いわく、「長考するのはうまくいきすぎている局面」。得意の形になった時こそ注意、あるいは勝っているときこそスランプの始まり。これには勝負師が拠って立つべき真理が含まれている。

森祇晶 元西武監督: 期待も希望もしない一手、それが最善策

起死回生のうまい一手などはない。常に最善手を捜そうと心がけている。期待もしないし、希望もしない。そういう目で一手先が見えれば、それがそのときの最善手。
送りバントが失敗した後、次のバッターがヒットを打った場合。負けた試合の後で戦犯探しをすると、選手はたまらない。しかし5-0で勝った場合、なぜ6-0でなかったのか、勝った後なら選手も素直に前向きになれる。さらに、なぜ相手が負けたのかも考える。勝ちの中から負けの種を探す

臨床心理学者 河合隼雄文化庁長官: 苦しむための結婚

愛し合っている二人が結婚したら幸福になるという考えを持っている夫婦ほど、憂うつになりやすい。何のために結婚して夫婦になるんだといったら、苦しむために、井戸掘りをするために、というのが僕の結論。

武田信玄: 迷信に左右されぬ強い心を持て!

信濃に兵を進めたとき、一羽のハトが飛んできて陣屋の木の枝に止まった。これを見て、家臣らは大勝利の前兆と喜んだ。しかし、信玄はハトを打ち落として、「大事な戦の前に、つまらぬ迷信に左右されるな。もっと腹を据えてかかれ!」と、浮かれる家臣を叱咤。続けていわく、「一度そのような吉兆に頼ると、次の戦も吉兆を求める。吉兆が得られないと、不安になる。結局、あれこれ吉凶の前兆に惑わされる。だから、最初にきっぱりとハトを打ち落としたのだ。」