倫理とは
倫理とは: 「人の間」が成り立つためのルール
- もともと世の中、世間、人界を意味する漢語「人間<じんかん>」を、日本人は「ひと」をも意味する「人間<にんげん>」として誤って使ってきた。人間とは「人の間」的な存在で、相互に何らかの関係を持った間柄的存在。あるいは、人間関係という全体性を基底にして初めて存立するのが人間。
- 倫理というのは、特別の原理に従って「かくあるべし」というのではなく、「人の間」的存在である人間がおのずから従う行動のパターンで、「人の間」が成り立つためのルール。「人の間」も様々で、家庭、会社、コミュニティのほか、日本人、アジア人、地球人など、それぞれの「人の間」の間柄に従ってルールは異なり、複雑に絡み合う。ルールも、親子や恋人同士でしか通用しない小さなルールから、絶対に守らなければならないルールなど様々で、ルールを明文化したのが、法律や条約。
- 「人を殺してはいけない」というのも、「人の間」のルールの一つ。ただし、ルールにも戦場のような例外があり、ルールが通用する場でのみ成り立つだけで、あらゆる場面で正当化される普遍的原理ではない。だから、普遍的な倫理は存在せず、状況に応じて成り立つ側面を持つ。
- そういう観点で見れば、子供の成長とは 身体が大きくなるだけでなく、「人の間」のルールを身につけていくこと。