インターネット大潮流-VII
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データポータビリティーの最有力、Facebook Conect。
「あなたの友達の魯山人さんが星ヶ岡茶寮という料亭で食事しましたよ」という口コミ伝達システムSNS Social Ads。それは、Google ではなく、Facebookが開発した人と人との相関関係図ソーシャルグラフ (Social Graph) 技術が土台。このプラットフォームが固まれば、今度は顧客同士が情報を交換し、企業側が何もしなくても自然に顧客DB価値が高まる仕組み、つまり勝手にデータを提供してくれる仕組みができあがる。これが複雑系の本質的魔力。
例えば、会員が商品購入履歴を公開しあうことで、店舗ごとの評判や価格を参考できるシステム。Facebook が規定したソーシャルグラフによるアプリケーションプラットフォームが、アプリ開発者にとって魅力的なら、商品購入履歴を公開できるようなアプリケーションや、店舗別の評判や価格を一覧比較できるようなアプリケーションは、彼らが勝手に作ってくれる。今度はそのアプリを使って、顧客同士が勝手に情報をシェアするので、共有知が顧客DBに蓄積される。One stop, One table, One to one の理想的世界。人間関係を土台に、アプリ開発者や顧客など複数の補完者を活用して、ギアを数段あげて成長する仕組み、次世代ウェブアプリケーションプラットフォームを担う最右翼がFacebook。つまり、ネット上にあふれ出した人間関係を整理して付加価値を生み出す時代のチャンピオンになれそうなのがFacebook Conect。
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ではSNSに弱いGoogleは、どう戦おうとしているのか。それは、Facebookのようなプロフィールを持っているサービスと、データを欲しがっているサイトの間に立つ戦略。様々なSNSと手を組み、重要なデータ仲介人となることで、実際にソーシャルネットワークを持たない最も重要なソーシャルネットワークになる可能性を秘めた、次元を変えた戦い方。