インターネット大潮流-III

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  • Email: 文書の移動コストゼロ
  • IP電話+Skype: 音声の移動コストゼロ
  • Flickr+iTunes+YouTube: 写真、音楽、動画の移動コストゼロ
  • オープンソース化: ソフト開発コストを限りなくゼロへ (世界中の電脳を結集してサービスを構築)

インターネットの価格破壊力は、物、音声、画像をデジタル化することで、移動コストを限りなくゼロへ。ソフト開発分野においても、これまでは巨額の資金が必要だったが、優れた知的資産をオープンソース化すれば、世界中の電脳が結集してサービスを構築するため、限りなくゼロに近いコストで作成できることが立証。しかも優れた知的資産ゆえ、モチベーションの高い優秀な電脳が自発的に結びついた状況、もしくはAmazonのように参加者も儲かるような仕組みをつくってあげると、一企業の閉鎖的環境の中で開発されるソフトより、優れた製品を生み出す。

残された課題は、人とお金の移動コスト。P2P の分野で人もデジタル化されだしたSNSサービス、今度はB2CやB2Bなどお金儲けにからむビジネス分野で、営業・出張コストなど人と人が出会うコストを限りなくゼロに近づけるサービス合戦が本格化するはず。一方、お金の分野ではMicrosoft, Google, eBayなどが振込手数料や為替手数料の無料化を目指して、ネット上の共通通貨を思索中。コストという名の関所がないネットの上に、人とお金をのせて世界中を自由に行き来する時代へ。

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たとえば携帯電話など、加入者が1人しかいない場合、加入価値はゼロだが、加入者が2人になれば、互いに通信できるという価値が生まれる。そして加入者が増えれば増えるほど、利便性はいっそう高まり、利用者のWTP (Willingness to Pay) を押しあげる効果。ネットワーク的性質を持ったサービスは普及率が高まれば高まるほど価値が上がるため、さらに利用者を増やそうとする「正のフィードバック (bandwagon effect)」が生まれる。そして普及率がある水準を突破すると、利用者数が一気に跳ね上がり、i-modeブームのような現象を引き起こす。ネットワーク的性質の強いMySpace, Facebook, mixi などSNSはより顕著で、サービス開始から数年でページビューはトップクラスにランクインしたほど。

Google検索エンジンによって、自分のブログが他人に気付いてもらえるようになり、Feed やRSS (Rich Site Summary) を使って自ら情報を配信。「量質転化の法則」により、質の高いブログが選別。その結果、ロングテールが、物ではなくブログやデジタル化された人間の人気度・価値に波及する時代へ。