戦後復興 I

日本人にとっての下記3大課題。中でも外国人の関心が高い「戦後復興」と「バブルの処理」について、先日、Biz School の同級生や教授陣に対して行い好評だったプレゼン。大局的視点から本質にせまったプレゼン資料は、下記からダウンロード可。最後のページ以外は、他でも使えるはず。PDF よりppt のスライド機能を使った方が、私のメッセージが伝わりやすいものの、それでも伝わりにくい部分もあるので、こちらでその資料をちょっこと解説。

http://video.google.com/videoplay?docid=5810204710655236543
http://video.google.com/videoplay?docid=5829291257715947342

Slide 6

GDPを4要素に分けて時系列で見た図。けん引役は、やはり設備投資。輸出主導のイメージがあるものの、伸びだしたのは60年代後半。その理由は「国際収支の天井」。戦後の貿易再開から1955年代にかけて日本では、国内の好景気が続くと、輸入が増え、外貨準備が底をついてしまうために、経済を引き締めて景気を後退させる政策を実施。これが、「国際収支の天井」問題。しかし、1965年代以降、輸出が拡大し、貿易黒字が定着すると、国際収支の天井問題は解消。

現在では、特に急成長を続ける新興工業国において、輸入の拡大と経常収支赤字の拡大という問題が起こっているが、戦後の日本と異なり、外国からの投資を大規模に受け入れることによって国際収支をバランス。しかし、短期資本の導入に頼り過ぎると、海外資本が一斉に引き上げた時、通貨暴落等の問題が発生する危険。これが1997年のアジア通貨危機の原因のひとつ。

Slide 7

「投資が投資を呼ぶ」という状況をイメージ化。最初は、内需主導で設備投資が伸び、その後は内需と外需が両輪となって設備投資を後押し。その資金源は、国民の貯蓄。最近の新興工業国との違いは、外国からの借金に頼るのではなく、間接金融によって零細な貯蓄を集め(今風に言えばロングテール現象)、それを成長の原資とし、次々と設備投資に向け振り向け経済発展を達成。