決断力II

決断力以外で参考になった表現も抜粋。

将棋の醍醐味

勝つのは1点差でいい、10点も大差をつけて勝つ必要はない。常にギリギリの勝ちを目指している方がむしろ確実性が高くなる。

集中力

水圧に体を慣らしながら潜るように、集中力も徐々に深めていかねばならない。このステップを省略すると、深い集中の域に達することはできない。一気に深い集中力に到達することなんて無理。・・・深く集中している世界では、見えないものが見えたりする。時間の観念もなくなり、短時間に多くの手が読め、「これだ!」という最終決定も早い。そういうときは、集中力の持続力も長い。・・・・集中力がある子供に育てようとするのではなく、本当に好きなこと、興味をもてるもの、打ち込めるものが見つけられる環境を与えてやることが大切。

敢えて相手の得意な戦型に挑戦

「オールラウンドプレーヤーでありたい」という棋士としての目標。そのためにも「自分の得意な形に逃げない」ということを心がけている。経験が殆どない型を試すと、撃沈されることが多いが、それはそれで仕方ない。先行投資のために授業料を払っているのだから。大切なのは、自分らしさを保っているかどうか。

才能とは

以前は一瞬のひらめきだと思っていたが、今は長期間、同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。個人の能力差より、継続できる情熱を持っている人の方が、長い目で見ると伸びる。

プロとアマチュアの違い

マチュアとは違う特別なものを持っていて、その力を瞬間的ではなく持続できること。

冷静さを保つには忘れること

忘れるということは、たくさん覚えられるのと同じくらい、貴重な能力。忘れられれば、常に新鮮な眼で見ることができるから、冷静でいられる。

人間の本質

経験を重ねると、様々な角度から判断できるようになるが、それが正しい結果につながるとは限らない。思考の材料が増えると、逆に迷ったり、心配したり、怖くなったり、思考の迷路にはまってしまう。・・・何事であれ、一直線に進むものではない。将棋を通して、そういう人間の本質に迫ることができればいいなと思っている。