企業経営-教訓I
現状認識チェックリスト
戦略策定において陥りやすいワナ -優秀であるが故の壮大な目標設定(ときに採算性の合わない戦略、現実離れした構想)、合理性・論理性を欠いた評価、変化への対応の遅れ- から逃れるには、未来の不確実性や情報不足を理由に思考を停止したり、願望を信じたりするのではなく、問題の本質を追及し、徹底的に論理の示すところに従う一方、前提を過信せず、環境が激変した場合に備えること。
目標
- 戦略: 限定された根拠に依存していないか? 本当に達成できるの? 技術者の夢物語?
- 指標: 自社の強みに関連した指標だけ? 市場シェアに依存しすぎ? 顧客の動向は?
評価・認識
失敗の主要4局面での警告
1) 新規事業
- 見果てぬ夢: 問題に取り組むにつれ複雑化し、より強力な戦略を捜し求める悪循環へ、結局どのカードを切っても解決できない
- 同床異夢の株主: パートナーシップは信用強化の大事な要素だが、本質的に異種混合が甚だしい複数のスポンサーが集まった場合、とくにお互いつばぜり合いをしている敵同士の場合、環境の変化に従った戦略がとれず破綻を招きやすい
- リスク回避: 息の長い新規事業には一度に投資するな
2) イノベーション導入&変化へ対応(無為無策が失敗とならないために)
- 変化の兆し: メーカーから小売へのパワーシフト、顧客ニーズの変化など見逃していない?
- 社風: 技術に没頭するあまり、市場や顧客への意識は二の次? 変化への対応を呼びかけている?
3) M&A
4) 競争相手に反撃(非合理的戦略をとらないために)
- 起死回生の一発: 絶望的状況で起死回生の一発を狙っている幹部には用心、たいていはより悪化⇒誤りを認め、素直に行動すべし
- 中間管理職: 彼らなりの目標・動機・方法があるので、思ったとおり動くとは限らない
共通点
- オーナー経営者が鶴の一声を放つとき、経営の合理性はしばし二の次
- 自分の誇大宣伝を自分で信じ始めたときが真の危機