歴史-項目別 I
検索: YahooからGoogle へ/ ポータルからサーチへ
- 90年代は、ドキュメント情報をデジタル化し、「人間の手」で整理したYahooの時代
- 00年以降は、無限に増え続ける情報を「ロボット」が整理するGoogleの時代
YahooとGoogleの大きな違いは、「人の介在」の有無によるランク付け。例えば、どちらのサイトにもあるニュース。Googleはネット上のニュースをすべて巡回し、緊急性や重要性をロボットが判断し、優先順位をつけ、自動編集する一方、Yahooは優秀な人の視点で人が編集。専門家や特定の人の見解ではなく、サイトのリンク数をネット市民の声・投票数と考え、リンクという民意を直接反映させることで、Googleは「ネット上の民主主義」を構築。この優先度を決定する技術が、Google の生命線「ページランク (PageRank)」。それゆえ、一般にGoogle はテクノロジー、Yahooはメディアとして区別される。
対象物: コンテンツから人間へ
ビジネスモデル(広告): カテゴリーからキーワードへ/ Segmentation からOne to One へ
- 90年代はYahooに代表されたバナー広告。例えば、Yahooの不動産カテゴリーに不動産会社がバナー広告を掲載し、不動産に興味のあるユーザーにターゲットを絞った時代
- 00年以降は、Google の検索連動型配信システム (AdSense/ AdWords) が主流。 ネット広告で副収入を得たい人が自分のサイトをAdSenseに無料登録すれば、検索ロボットがサイト内を自動的に分析し、広告主がAdWordsであらかじめ登録したキーワードにマッチした広告を選んで自動配信。Googleの検索連動型だと、広告効果が高く、小額の予算でも受け付けてくれるので、これまで縁のなかった広告主とサイト運営者など、不特定多数無限大の参加者を生み出す、いわゆるロングテール現象(恐竜の尻尾)が現実化。広告主のロングテール部分とメディアのロングテール部分をマッチングさせ、win-win の構築に成功。
情報資本主義社会: 情報をコントロールしてお金に変えるスキルを持った人が勝ち組へ
製造元と消費者を直接結ぶ中抜き社会 (e.g. ディスカウントストアー、近所の酒屋、蔵元)
- Pre-Internet: ディスカウントストアーが王様 (近所の酒屋や蔵元は衰退業態)
- Post-Internet: 蔵元が王様-> 「さよなら楽天さん」
蔵元がGoogleの力を知り、自社製品情報をGoogleの検索エンジンにひっかかるように最適化すれば(SEO search engine optimization/ SEM marketing)、検索結果はディスカウントストアーでなく蔵元を表示。つまり情報がお金に変わる時代。今までは物がお金に変わる資本主義社会だったが、ネット時代では情報をコントロールして、お金に変えるスキルを持った人が勝ち組となる「情報資本主義社会」。最終的には、「さよなら楽天さん」現象を引き起こしかねない。
このことはおそらく個人にも当てはまり、自分自身をデジタル化し、Google に最適化し、正しい情報を発信している人がデジタル社会の勝ち組へ。ある意味、これらデジタル人間によるデジタル的企業がネット企業で、その代表例がGoogleやFacebook。